Japan Cupを終えて
今回来日したチームスタッフは、イタリア人監督のPllizotti、ポーランド人のドクター、スロベニア人のマッサーと、同じくスロベニア人のメカニックの4人でしたが、現地雇用と言う形で、ENNEスポーツマッサージの穴田さん、Positivoから私がと言った体制となりました。
今回もチーム内の共通語は英語で行われましたが、英語を苦手とする私には皆極力イタリア語で対応して貰えましたので、なんとかマンツーマンでの会話では問題は無かったのですが、全体に向けた指示やミーティング内容を理解するのには苦労しました。
ヨーロッパにもまだまだドメスティックな言語で活動しているチームは沢山あると思いますが、ワールドチームやプロコンチネンタルのチームにおいては、既に多国籍の選手スタッフでの運営が当たり前となっており、まず英語、プラス他のヨーロッパ言語でのコミュニケーション力は必要不可欠なのだと強く感じました。これはスタッフだけでなく、勿論選手にも言える事だと思います。
今回のメカニックの主な仕事は、空港から到着した機材の準備組み立てから始まり、指定された作業場所での調整作業、前日の試走後や、レース後の洗車、スペア機材のチェックや、それらを車載用にするかピット用にするかの選択、選手がWatsappに上げてくる当日付けるホイール(45㎜ハイトか60㎜ハイトか)の選手個々の希望や、其々の指定空気圧等の管理、チームカーの準備等など挙げ出すとキリがありませんが、チームスタッフの経験値は勿論、日本ならではのレースオーガナイズの恩恵もあり、それぞれの仕事はとてもスムーズに進める事が出来ました。
使用するチームの器材においてはそれ程目新しい物は見当たりませんでしたが、チューブレスタイヤの選択や、シーラントの使い方、輪行時における工夫等参考になる事も多数ありました。
今回の現場はたった二日間のレース、しかも選手は5人と、決して2人のメカニックが担当する仕事の量としては大変ではありませんが、私ももう長い事現役のレースメカニックではありませんので、現役時代の知識をベースに持ちつつ、こういった新しい事をリアルに経験出来る機会はとても貴重だと考えています。
現在のレースシーンを、テレビやインターネットなどの情報媒体から見ていると、どうしても昔とは違った機材や、作業方法のトレンド、都市伝説の様な仕事のやり方等が懐疑的な情報として現れたりしますが、やはり実際に現役のスタッフとリアルに作業をして行く中で、それらの疑問が解き明かされていく快感は、自分としてはとても有意義な事に感じます。
また、国内外で活躍する日本人の現役メカニックの方々と交流が持てる事も、私にとっては嬉しい事の一つです。
彼らはレースと言う仕事に対して、其々が異なった多くの知識と技術を持っており、今回も様々な方に色々な事を教えて貰う事が出来ました。
そして何より、彼らの強い向上心と情熱にも刺激を頂きました。
彼等が歩もうとしている道は、決して私が歩いた道ではないのです。だからこそ、私は彼らに色々な話を聞きたいと思っています。
今回もお店の方は留守にせざるを得ませんでしたが、お店としてもとても有意義な4日間となりました。この経験や見て来た事は、弊店を支持して頂ける皆様の元へと考えております。
あらためまして、ご理解とご協力を頂いたお客様には感謝申し上げます。
店主
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