羊蹄ニセコワンダーサイクリング2025

    (蝦夷富士とも言われる羊蹄山、今年はバッチリ見えました)


梅雨空は何処へやら・・・の6月でしたが、皆様いかがお過ごしですか?

今日は7月1日、いよいよ夏本番ですね。


さて、今年も行って参りました北海道は羊蹄山麓のサイクリングイベント、「羊蹄ニセコワンダーサイクリング」

昨年に初めてゲストライダーとしてお話を頂き、実際にこのサイクリングイベントを走らせて頂く事によって、地元ライダーの方々や、このイベントを企画運営されている方々の熱い想いや地域愛に大変感銘を受けて帰路に就いたことが昨日の様です。

それが何と今年も呼んで頂ける事になり、大変有難いと思うと同時に、外部の人間である私に、昨年の参加の経験を踏まえて、役割としていったい私に何が出来るのかと自問しながらの倶知安入りとなりました。


昨年のブログにも書きましたが、この「羊蹄ニセコワンダーサイクリング」は、北海道の南西部にある羊蹄山周辺エリアを中心とするサイクリングイベントとなります。

全国様々な地域で、それぞれの地域性を活かした様々なサイクリングイベントが行われるようになった現代ですが、それぞれの主催者が何を参加者に提供し、どの様な事をこのイベントに求めているか、この「羊蹄ニセコワンダーサイクリング」に参加して思う事を、イベントの流れと共に紹介していこうと思います。


         (真狩村から、まだ雪の残る羊蹄山を見る)


この羊蹄山周辺のエリア、特にニセコや倶知安を中心とした地域は、スキーリゾートをはじめとする様々なスポーツアクティビティが充実したエリアなのはもはや有名ですね。

自転車はと言いますと、先々週に行われたニセコクラッシックは今やとても大きな規模となり、来年はUCIグランフォンドの世界選手権の開催が決まっているなど、とても大きな盛り上がりを見せています。


半面、地域住民の方々の理解や、行政との認識のギャップ等においてはまだ課題が残るとも聞いています。

このサイクリングイベントはどちらかと言うとあえて広く参加者を募らずに、この地域の近隣のサイクリストや、このエリアのあまり自転車と関わりの少なかった方々に参加して頂いていたり、地域の商店や飲食店、農業など様々な産業や、行政に携わる方々に積極的に関わって頂き、自転車の持つ特性や可能性との掛け算を紹介、提案をしている様に感じています。

         (今年のスタート地は、倶知安町役場前)


このイベントの特徴的なスタイルですが、基本、当日まで決まったコースを参加者には知らされません。当然ながら、小分けにされた各グループにはサポートライダーが複数名付き、参加者のトラブル対応やルートアウト等が無い様にサポートしてくれる体制となっています。


このサポートライダー達は、経験豊富な地元のライダーさん達が担ってくれています。

いつも彼等が走っているコース等から、事前にこの日使うルートを主催者と話し合って決めてくれており、時間調整やトラブル回避の為のルート変更なども自由自在です。


そして昨年はニセコ町が、今年は倶知安町がスタートゴールでしたが、羊蹄山麓7町村にて毎年持ち回りで交代してスタートゴール地を受け持つのだそうです。

    (ダチョウ飼育が珍しい、ニセコ 第二有島だちょう牧場はカフェも併設)


多くのサイクリングイベントでは当然の様に用意されているエイドステーションも、このイベントにはあえて用意されません。

その代わり、各グループが休憩を摂る際には、地域の商店や、ルート上の推しの飲食店などに案内してくれると言う訳です。

もちろん、主催側が事前に各事業者に頭を下げて頂いている事とも思いますが、当日は何処も大歓迎してくれますし、雑談などから地域の方とのコミュニケーションも発生します。

             (ダチョウソフト)



距離は約80㎞と約50㎞がありますが、今回私は80㎞に付き添わせて頂き、参加者の皆さんとカフェに立ち寄ったり、昼食にラーメン食べたりと、参加者だけではなく、地域の商店の方達等とも実に沢山のお話や交流をさせて頂きました。

       (塩分補給のラーメン・・・アンタも好きねぇ)



そして楽しく一日のサイクリングを終えた後、ささやかな事ではありますが、ゴール会場にて「ディスクブレーキのパッド交換のあれこれ」と簡単なメンテナンス講座を、私が講師となって開催させて頂きました。

見たところ殆ど全員が会場に残って下さり、質疑応答なども活発に挙手して頂いて嬉しかったです。


このイベントに参加している様々なバックボーンを持つ方々に、サイクリングをしながら、このエリアに居ながら気が付かなかった地域の魅力や、今まで触れて来なかった遊び方、そこから見えてくる可能性、そして現実的に抱えている自転車を取り巻く地域の問題等を、参加者や携わった方々が実際に見て感じて考え、そしてそれを持ち帰って身近な周りの人達にも伝えて行く様な、そんな地域のサイクリスト達の想いが、今年も伝わってくる熱いイベントでした。


イベントが終わった後の夕方、昨年同様に、イベントの中枢メンバーの方々と炭を囲んでBBQをしました。

腹筋が割れるような笑い話や、熱き想いの真剣なお話、地域のこれからの事などを話しながら、気が付けば夜も深くなっていました。


偶然の縁で私と繋がって頂いた彼らが居なければ、この様な経験や交流に遭遇する事も、彼等の熱い想いにも触れる事も知る事も無かったかも知れません。

彼等だけでなく、日本中の多くのサイクリストが、自身の住む地域でサイクリストではない方々とも仲良く共存していきたいと思っていると思いますし、自転車の楽しさを知って頂き、実際にサイクリングを楽しむ方も増えて欲しいと思っていると思います。

それぞれの環境も、抱えている問題も様々だと思いますが、こうして情熱を持って活動し、地道に繋がりやきっかけを作って実際に行政をも巻き込む大きなムーブメントを起こしている彼等の活動は、一つのモデルケースとしてもとても素晴らしいと思いますし、この先数年後、この地域の自転車を取り巻く環境がどのような発展を辿って行くか、とても楽しみです。


今回私をゲストライダーとしてお招き下さった、羊蹄ニセコ自転車走行協議会の渡邉会長をはじめとする関係者の皆様、今回このイベントにご参加をされた皆様に、厚く御礼申し上げます。

そして何より、「とても楽しかったです!!」を、お伝えしたいです。




おしまい


店主

Positivo

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