佐渡ロングライド2026 後編

昼食を摂った両津港BSを後にした我々は、いよいよ後半の110㎞へ突入です。

左手には海が見えますが、遠く海の向こうには本土の山が見えたりします。

穏やかな雰囲気の海沿いの集落をいくつか通り過ぎる度、この様な場所で気の合う仲間と楽しく自転車に乗れている事への貴重さ、有難さを感じずにはいられません。

また来年も、仲間達とここに来る事が出来るのだろうか・・・

そんなことを考えながら、多田ASへ到着です。


まだA2組の反応はありません。

GarminのGroupeTracking機能を知りながら、出発の時に同期する事をすっかり忘れていました。

SMSの反応があるまでアクションは待つことにしようと決め、エイドで休憩を摂ります。


( 一方、我々が両津を出る時A2グループはと言うと・・・Z坂にて ↓ )


ここ多田ASでも、地域の子供達が一生懸命参加者に飲み物を提供し、かわいらしい声援を頂く事が出来ました。

このエイドでは昨年もあった筵カカオクラブのチョコレート菓子や、個人的にここでしか食べれないと思っている“たくあんパン”が振舞われました。

昨年から振舞われるようになった筵カカオクラブのお菓子

このたくあんパン、東京で売ったら間違いなくヒットするのにな・・・てか自分が買いたい。

ただパンにたくあんが放り込まれている様な物ではなく、たくあんの周りはチーズらしき餡で包まれ、それがパンの中に入っていると言う、なかなかこれで凝った物なのです。

これは実に旨い!


ちなみにこのパンを作って下さっているのは、佐渡市内にある障がい者就労継続支援福祉施設の皆さんの手作りパンなのだそうです。

生地に使う素材を厳選し、添加物などは一切入れない、体に優しいパン作りをしているとの事でした。


さて、A2組の事も気になりながら、多田を出発します。


( そしてその頃A2グループは・・・大野亀の手前にて ↓  )


ここから小木までの区間は、毎年強い向かい風に苦しめられますが、今年も風はあるものの、いつもよりは穏やかな印象で走る事が出来ました。

同じ我々メンバーが協力して5~6人で回すその後ろには、20名程の隊列が出来ています。

こうなったら、どのくらいまでこのコバンザメ隊列が長くなるかなと思う様になり、時々後ろを振り返っては、隊列が長くなるのが楽しみに(笑)


そんな事をしているとGarminの画面にメッセージが現れ、「A2の4人は今両津につきました」と。


返信をくれたAさん、HT野さん、I頭さん、N谷さんは一緒だとの事、あー良かった。

4人ならOK!! 大丈夫でしょう!

ひとまず安心して小木港のASを目指します。


小木ASに着きました。

ここでは一旦バラバラになったメンバーも合流しました。

お疲れの表情こそ見えますが、皆楽しくて仕方がないと言った感じ(笑)

ここではなんともつ煮が振舞われています。

ライド中にもつ煮ってあんまり食べませんが、ここに現れたもつ煮はとても魅力的で、これを食べない訳にはいきません。

結局食した後には、「ライド中にもつ煮かあ・・悪くないね♪」と言う結論に落ち着きました。


さて、小木を後にすると、ここから先は、最大の難所の太鼓坂が現れる区間でもありますが、同時に宿根木の集落などが見れる魅力的な区間でもあります。


この時一緒に走っていたのはS河さんとA賀さんとの3人。坂に備え、無駄に急がず景色を見ながら進むことに徹します。

宿根木周辺まで来ると、実物大の千石船「白山丸」が展示されている博物館を見に小休止しましたが、この日はあいにく扉はしまっており、中に見える「白山丸」をのぞき込んでここを後にしました。


そのすぐ数百メートル下った先に、宿根木の街並みを一望できるスポットを昨年から知っていたので、まだご覧になった事の無いお二方と、そこでも暫しその景観を見ながら休憩しました。

この高台から見る宿根木の集落はとても美しく、谷あいの狭い土地の集落に2階建ての家屋がぎゅうぎゅうに詰めて建てられています。

統一感のある黒い屋根瓦の家と、これまた黒い石置き屋根を上から眺める街並みの美しさに暫し見とれました。

(街並みの向こうに見える小さな湾では、はんぎりと言われるたらい船クルーズが出来る)


さて、佐渡島の南端、沢崎まで来ました。

ここからはいよいよ最後の難所、太鼓坂が始まります。

ここまで約170㎞を走っていますので、皆脚力には余裕がありません。

その状態で迎えるこの坂ですが、距離にして約2.5㎞、平均勾配は7~8%ぐらいでしょうか。所々10%を超える箇所もある様な坂です。


いやぁキツイ・・・キツイですなぁ(汗)


一緒に走ったS河さんは、13年ぶりの参加なので、この坂は知らないとの事。

しかもローギアは28Tなのでしんどそうですが、力強く一定ペースで登ります。


頂上に近付くと太鼓の音が聞こえてきますので、それが目安ですと伝えますが、なっかなか太鼓の音が聞こえません(笑)、しかし程無くして太鼓の音がかすかに聞こえてくると、「幻聴でない事を祈りましょう」とペースを保ってペダルを踏み続けます。

幸い幻聴ではなく、頂上で鼓童の方達が太鼓の演奏で迎えてくれました。

いやいやしんどかったっすねぇ(笑) 何回来てもキツイ坂です、ここは・・


ここでA賀さんとははぐれてしまいましたが、その先の素浜ASまではさほど距離も無いので二人で進む事にします。


再び長い下りを経て海岸沿いの道に出ました。


この海岸に沿う道路からはまたもやきれいな海の景色が続きます。

時刻も午後になり、傾いた太陽の日差しも柔らかくなって良い感じです。

ここではタイミングが良ければ、実際に漁をしているリアルたらい船を見る事も有りますが、今日は沖に出ていませんでした。


砂浜から海風で道路に出た砂を避けながら走り、最後のASの素浜に着きました。

ここまで184㎞、この直後にイヤな坂はありますが、難所と言われるところはそれ以降ありません。幸い今日は風も弱く一安心です。


ここでは、佐渡産おけさ柿のあんぽ干柿を包んだ大福が振舞われます。

素朴な甘さと、とろりとした干し柿の食感がなかなか美味しいぞこれは。

思い返せば、ここまで朝から随分と食べました・・・・

いやいや結構食べましたよねぇ・・・

背中に保険として入れたエナジージェルは当然手付かずのままです。

逆にエネルギー過多です、間違いなく(笑) それも結構なカロリーで。


ここ素浜では最後と言う事もあり、比較的ゆっくり休みます。

そうしている間にも、TANさんやM山さん達もエイドに入って来られたので、一緒に出発する事にします。


丁度その時、A2のAさん達4名も小木に着きましたとメールが入り、しかもGoさんやY銭さんも合流との知らせが!これでトラブルさえなければ皆完走は問題ないと確信出来ました。

( 初参加のY銭さんGoさんも、A2の皆さん4名と合流!)


そうと分かれば、あとはゴールを目指すのみ!と最後の錆坂(路面に錆色の水が流れた跡がある坂)を登ります。


M山さんは既にこの時膝裏を痛めていたらしく、無理せずマイペースで行かれるとの事、同じくTANさんもマイペースで行かれる感じに・・

残りの距離はもうそれ程無いのですが、やはり皆結構疲れてはいる様です。


最後の20㎞は、S河さんと走ったのですが、逆にS河さんは火が着いた様にスピードを上げて行きます。


ラスト10㎞地点にある我らが宿の前を通過すると、そこには既にブルーシートとテーブルが用意されており、完走後の乾杯の用意が整っていました。

いつもお宿のご厚意には感謝ですね。


その後、なんと既に130㎞を走り終え、宿に戻る途中のS山さんと偶然すれ違う事が出来ました。

S山さん、無事にゴールされたんだなと安心しながら、S河さんの鬼引きもありゴールまであっという間、無事に今年の210㎞を締めくくりました。


その後、我々のすぐ後ろを走っていたTANさんM山さん、Y田さんHYSさん、A賀さん、そしてH藤さんK野さんが無事ゴールして来ました。

皆、疲れてはいながらも清々しい表情です。事故も無くゴール出来て良かった。


あとはA2グループの6名がゴールすれば、全員が無事完走となりますが、どうでしょうか・・・


(その頃・・・)

(Goさん@太鼓坂)


(N谷さん@太鼓坂)


(Aさん@太鼓坂 写真は無いですが、I頭さん、HT野さん、Y銭さんも通過)


(その後Y銭さんが足を痛めたものの、6人でラストのアップダウンを快走!)


皆10㎞の道のりの帰路で宿に戻り、先着した方達はシャワーも浴びずにジョッキビールをオーダー(笑)

恒例の「ラスト10㎞!頑張れ呑み会」が始まりました。

毎年宿に戻るとすぐに屋外でビールを飲む方達が多いので、もう何年も前から宿の女将さんが野外呑みのセッティングをして待っていてくれているのです。

そして外せないのが、この特性めかぶチップス!

干しためかぶをレンジでチンするだけらしいのですが、生ビールとの相性抜群なんです。

「裏に生えてたやつだけんねぇ」との事ですが、我々の地域では考えられない御馳走ですよね。


ただ、待てどもA2グループは見えてきません・・・

もうそろそろいい時間なんだけどなと思っていると、ピカピカのY1Rsに乗ったジェントルマンI頭さんが現れ、その後、手を振りながら下って来るAさんが!

皆の歓声がピークになった頃N谷さんが単独で現れ、そしてY銭さんをしっかりアテンドする様に、Goさんの姿が見えました。

(この直後に皆現れるのだが、動画撮影に切り替えた為写真は無し・・涙)


しかも皆、笑顔で通過して行ったので、本当に良かった・・・

(宿の前を通過後のAさん @I頭さん撮影)


これで皆がここを通過したのを見届け、私の緊張はようやくハラホロとほぐれて行きました。

後で聞くところによれば、A2組の4人が両津に到着するも、昼食として用意されている筈だった炊き込みご飯をはじめとする提供物は、一度底をついて再準備待ちの状態で食べれなかったそう・・・・

気を取り直して小木ASのもつ煮に期待をするも、小木に着いた頃にはそれすらなくなってしまっていたとの事でした。


提供する側も、ご準備や現場での配膳など一生懸命最善を尽くされたかと思います。

フードロスの観点からも、どのくらいの食材を用意するか等、ぎりぎりのところまで苦慮された事と思います。

きっと来年は今年の状況を踏まえ、参加者がゆっくり到着しても、参加人数に定量化したメニューは別途用意して頂くなど改善策を考えて頂けるのではないでしょうか。

例えば、両津などの食事ではゼッケンの一部にマジックペンで受け取り済みのチェックを入れ、一人1回の提供が分かる様にされるとかね・・・・


こうして今年の佐渡島ロングライドも、皆が事故も無く無事にゴールして幕を閉じる事が出来ました。

其々が楽しみながらも安全な状況判断を怠らなかった事、グループ内で助け合って走って頂けた事など、皆様にお礼を申し上げたいと思います。


さて、走った後はお待ちかねの夕食会です。

細かい説明は要りません、お宿自慢の料理がこれでもかと用意されています。

今日の道中苦労した事、大変だった事なども、皆で美味しいお料理をつまみながら、全て腹を抱えて笑い話にするような、そんな雰囲気でそれぞれが楽しんでおられました。

皆のこの表情を見れただけで、本当に今年も来れてよかったと、幸せな気持ちで夜も更けていきました。



さて、翌早朝・・・

いつもの事ながらの店長タイムです。

この佐渡に限らず、旅先で早朝にライドをするのが私の趣味でもあります。

朝のあの済んだ空気、秒単位で変わっていく空の色、鳥の鳴き声、カエルの合唱、たまに出くわす野生動物(熊さんはNG)等々・・・・

自転車に出会って本当に良かったと思えるひと時ですね。

そして宿での朝食、昨夜あんなに食べたのにご飯が美味しい(しみじみ)

それに、皆で食卓を囲む朝食って、なんかイイですよね!

朝食後は皆で自転車の積み込みです。

行きと同じ様に、車内への積み込みは永井が行いますが、ホイールを外して名札を貼るなどの作業は其々に協力して頂きます。

そして積込もスムーズに完了!

(出発時の集合写真 N谷さん、A賀さんは早朝お帰りになりました)


このメンバーで今年は来れた事、いい思い出になりそうです。

そしていつもの北雪酒造さんへ。

今年は我々の為に、特別に時間的ご配慮を頂きました。


そのおかげで、小木港には早めに到着、其々がお買い物をされたり、こんな事をしている方も(笑)

そして出港。

今年も、明日からしばらくは佐渡ロスとの戦いか・・・

今年も有難う佐渡島

穏やかな空気と時間の流れる佐渡島

麗しの島、佐渡島


こうして皆無事に東京への帰路につき今年もPositivoの年中行事である佐渡ロングライドが終わりました。


参加者全員が、目立ったトラブルもなく全員完走、落車などの事故もケガも無かった事は本当に良かったですし、一人一人が無理をする事なくよく用心され、それぞれがしっかりと準備を整えて参加をされたからだと思っています。

金曜日の夜出発は昨年に続いての試みでしたが、皆平日のお仕事でとても忙しい中、スケジュール調整は基より、ご体調管理や事前の車検にわざわざいらして頂くなど、少し一方的でもある企画にお付き合い頂き感謝致します。

今年ご参加頂けた皆様には、今回の企画は楽しんでいただけたでしょうか・・・・


毎年同じイベントに参加しに行くツアーではありますが、その年その年で感動の色が違い、今回も「あの2026年の佐渡」として思い出に刻んで頂けたなら嬉しく思います。

ご参加された皆様、本当にお疲れ様でした。

そして皆でこのツアーを楽しく盛り上げて頂き、ありがとうございます。


昨年も同じことを言いましたが、来年も、穏やかで美しいこの島で、また一緒に走りましょう。



店主でした

Positivo

プロチームの元メカニック永井孝樹が運営するサイクルプロショップ。ロードバイクなど、スポーツバイクのことならお任せください。初心者から、上級者まで、丁寧にご相談に乗ります。世田谷区、目黒通り沿い、東急大井町線の等々力駅から徒歩3分。